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創造と想像 建築士

創造と想像 建築士


大旗連合建設設計株式会社 一級建築士
貞森美保さん
 

 

 

 

 

 

 

 

「私の職場・仕事紹介」

大旗連合建設という建築事務所で建築士をしています。 建築士という名前はよく聞かれると思いますが、実際の建築設計の流れを簡単にご紹介します。

最初にお客さん、自分の会社のビルを建てたいと希望されるオーナーがいらっしゃいます。その要望を聞いて、それを持ち帰って、設計事務所でいろいろ考えるのです。普通言われたことを言われたとおりに出来るという状況はほとんどありません。建物を建てようとしている敷地が海辺なのか、山なのか、川が多いところに建つのか、基盤の問題があります。2番目に、国の法規や広島県や山口県など、県によって決められている決まりごとが結構ありますので、それらを検討しなければいけません。また、建てる物が住居なのか医療なのか福祉なのか、学校を建てることもあります。敷地の条件が、都市なのか、日当たりはいいのか、雨が多く降る地域なのかということもあります。 ここに工場を建てていいか、学校を建てていいか、そういうことを検討していきます。 これは行政との打ち合わせも結構ありますが、県や市の決まりごとで建物の高さなどが決められていたり、何平米か建物のボリュームを検討しなくてはいけません。 また造りは、コンクリートにするのか木造にするのか、そういうことも検討していかなくてはいけない。そういった様々な検討ののち建設の作業に入りますが、これにも3つの要素があります。

まず意匠設計ですが、平面図を書いたり、立面をかいたり、インテリアを考えます。それから構造設計。 これは建物がきちんと建つかどうか計算にかけて検討していきます。後は設備設計です。配管や給水、排水、そして空調や換気といったことを考えていくものです。最後にこれらの三つをトータル的に予算を出さなくてはいけない。 お金との比較検討しながら、意匠設計ではこれを落とそうとか、構造ではこの辺でコストダウンをしようとか、こういうことを考えていきます。

実際に形にしないといけないので、エスキス(スケッチのようなもの)というものを起こします。敷地があって、そこにどういうプランを考えるのか書いて、ここから具体的に形になっていく予想図というようなもので、あらかじめイメージを作り上げていくのです。

実は建築士には、お客さんを説得するのに言葉とか文章とか表現力がいります。建築は理系かなと思っていたのですが、お客さんにアピールするとか、分かり易く表現するといったことは、文系とか、理系だけではない能力を要するのだなと最近気付きました。

お客さんから了解がでると、具体的な仕事に着手するまでに実施図面という詳細な図面の作成に入ります。これが、建物によっては何百枚も必要となります。最後に実際に建てなくてはいけない図面を作り、それを造ってくれる建設会社とお客さんと私共の三社で契約を結びます。その後、工事に入りますが、その前にお役所でこういう物を建てます、いいですかと確認申請をします。 その際に建築士という免許がないと判を押してもらえないので、耐震偽装などありましたが、そのことで比較的建築士という責任を明示する強みが意識されつつあります。

それから消防署の許可をとってやっと着工です。設計事務所と聞くと図面を引くだけのようなイメージもありますが、お客さんたちへの説明に模型を作ったりするのも仕事の一つです。

 

「職業選択・体験談」

私が建築という仕事を意識し始めたのは結構早く、中学校のときでした。私には好きなものがたくさんあり、それを集めていくと建築だったのです。数学が好き、物理が好き、美術が好きだったのです。絵を描くのも電気も好きだったのですが、いろいろ考えていって、これって建築しかないかなと意識し始めたのです。 数字や力学、美術などが上手い具合に統合されたものが建築なのかなとそこに魅力を感じて建築に進みました。

建築士になるには数学が出来なければいけないとか、物理が出来なければいけないとかではなく、実際に理系の受験科目が必須の大学も減っていると思います。大学によっては数学は受けなくていいから絵を描いてくださいというのもあります。

建築士の試験は、現時点で建築の4年大学を出れば実務経験が3年、建築系の院まで出れば実務なしに受けられます。建築系の専門学校を出れば、2級を取って1級取得という道を進まれる方もいらっしゃいます。そういうものが全くない人は最長で実務経験10年を経て受けられる方もおられます。

 

 

「女性へのメッセージ・コメント」

何になりたいではなくて、自分が好きなものは何か、得意なものはなにかを早く見つけるとか、それを掘り下げる興味を持つとか、探究心みたいなものがあれば、仕事に何十年も携われることにつながると思います。