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不思議の世界に挑戦研究職(生物学)

不思議の世界に挑戦研究職(生物学)


県立広島大学 生命環境学部准教授
市川洋子さん
 

 

 

 

 

 

 

 

「私の職場・仕事紹介」

私は現在、県立広島大学の生命環境学部で生物関連の仕事をしています。県立広島大学のキャンパスは広島市・三原市・庄原市の三か所にありますが、私は庄原キャンパスに在籍しています。 庄原キャンパスには、教育・研究棟のほか、学生が実習するための様々な付属施設もあります。

最近の大学は、このような付属施設も含め、大学の持つ知的・物的資源を社会や地域に公開・還元していくことによって、その責任を果たさねばなりません。 このため、私は環境科学科で、教育、研究、地域貢献、これらのバランスをとりながら仕事を進めています。

生命環境学部には、生命科学科と環境科学科の2学科がありますが、各学科が何を目指しているのか簡単にご紹介します。 生命科学科の学生にはバイオテクノロジー(生命工学)の最新の技術を身に付けていただくことが重要ですが、技術的な側面だけでなく、知識や新たな情報等もしっかり頭に入れていただかなければいけません。生命体の分子レベルから、細胞・個体レベルに至るまでの総合的な教育を行なうことにより、医療・環境や、現在問題になっている食料問題も含め、多様な課題の解決に対応できる学生を養成しようと考えています。

環境科学科での勉学は、生命科学に似た側面もありますが、扱う分野が環境に特化していると考えていただいたらよいと思います。 現在地球上では様々な環境問題が起きていますが、それらの原因は複合的であり、一国だけでは解決できない問題も非常に多くあるのです。問題の所在を明らかにし、その原因を究明しなければなりません。問題の原因や状況を把握する方法を学ばせ、それに対する技術や知識を身に付けさせるよう教育と指導すること、これが私たちの仕事になります。 つまり研究活動であり教育活動であるわけです。

 

「職業選択・体験談」

職業というものを意識したのは中学校時代でした。当時、たまたまシュバイツアー博士の話を聞き、私も医者になろうと決意しました。 お医者さんは人命を救えるので素晴しい仕事だと思ったからです。医者を目指して高等学校に進学しましたが、高校では建築学にも興味が湧いてきました。 しかし、理系の勉強をする中で最も興味があったのが生物でした。 生物の授業を受けたとき、先生から、広島大学にはカエルで世界的に有名な先生がおられることを聞き、その先生のご指導を受けたいという夢と憧れも持つようになりました。

このような状況の中で、大学入試のときは医学部と理学部のいずれに進路をとるか最後まで迷いましたが、先ず、理学部生物学科に進学し、面白くなければ医学部に入り直そうと考えました。 若い頃の1〜2年はどうってことはない、あせる必要はないと理学部に進学したのです。

生物学科に入ると、生物学は基礎的な学問ですから大変に面白くなったのです。例えば、カエルの卵を人工受精すると、まさに教科書に書いてあるとおり、細胞が2分割、4分割と目の前でどんどん変化するのです。 それを見たときには、生命の営みに対して体が震えるほどの感動を覚えましたし、私の研究進路に相応しいのはこれだと思い、発生学を選んだのです。

当時は、生物学科の女子の卒業生は製薬会社に行くとか、学校の先生になるくらいしかなくて、卒業後の道は非常に狭かったのですが、私は研究自身に魅かれたので研究者になることをその時に決意して今日に至っています。

研究者の仕事は、実験系の場合、その成果を世界に向けて発信しなければいけないので実際のところ大変です。 しかし、何故今まで続けてこられたのかを振り返ってみますと、例えば、未解明の課題をとらえ、実験の計画を立てます。新たな課題への挑戦ですから解答が用意されているわけでもなく、常に実験が上手く進行するとは限りません。しかし、実験が進行し、自分が予想したような成果が出たときには、論文が世界に公表されるまでの間、"現在、この事実は世界中で私しか知らないのだ"と思うと体がゾクゾクし、天下を取ったかのような快適な気分になれます。 それが論文という形になるとまた喜びを感じます。この喜びが次への力となり、この繰り返しが今まで研究を継続させる原動力になったと思います。

 

 

「女性へのメッセージ・コメント」

自分が何かをするに当たって、人に出来ることは必ず自分にも出来るという自信を持って行動して欲しいと思います。 自分が職業を選択するにあたっては、親や先生に頼るのでなく、自分自身で決定することです。 そうすると、自分が決めたのだからという責任が伴い、一方で、これは私自身が決めたのだからどんなに苦しいことがあってもやりぬくぞという力につながっていくのです。 だから最終的な判断というものはどんな場合でも、あなた自身でしてください。