”もやもや”を伝えること、気づくことの大切さって?
マツダ株式会社
●今回もジェンダー川柳コンテストにご協賛いただいた理由を、ダイバーシティ推進グループ 江畑美保さんにお聞きしました。

 昨年、初めて協賛企業として参加し、私自身も応募しました。(全て落選
 自分で詠む時、投票する時、企業賞を選ぶ時…と、何度も応募作品に触れる中で、応募者の皆さんが何にどんなモヤモヤを感じているのかに気付くことができたように思います。

 昨年、このコンテストの記事で予告していた「男女の役割意識」に関する社内アンケートを実施したところ、2,200人を超える社員が回答してくれました。印象的だったのは、女性よりも男性の方が『男性は~すべき』という考えに共感する割合が高かったんです。この結果を見たとき、私たちは「固定観念は女性だけを縛るものではない」と改めて感じました。
 男性自身もまた、「男だからこうあるべき」という無意識の思い込みの中で、生きづらさやプレッシャーを感じているのかもしれません。

 だからこそ、このジェンダー川柳は、誰かを責めることなく、「もしかしたら自分にもこんな思い込みがあるかもしれない」と気づくきっかけをくれると思っています。

 その気づきを、実際の職場ではどのような行動につなげているのか。ここからは、製造現場で女性活躍推進に取り組むメンバーにバトンタッチします。


(写真左から 本社工場 車体製造部 小林明美さん、 第一車両製造部 石中加代子さん)
(MPS本部 MPS人材育成研修部 アシスタントマネージャー 三宅悟さん)
●働き続ける上での「もやもや」ってありますか?

 (石中さん)
 当社は、福利厚生制度が充実していると感じています。
 私の場合は、1人目の出産時、2人目の出産時に、育児に関する休業制度が段階的にタイミング良く改定されました。当社の制度は国の基準を上回っており、お陰で仕事と子育てを両立することができました。
 でも、身近なところで言うと、生理休暇は制度があっても、ほとんどが男性という職場、上司は全て男性なので取得し難いといった状況にあります。
 また、昇進に関しては、同期入社男性と比較すると、女性はまだまだだと思います。

 (小林さん)
 私の場合は、福利厚生制度などがほぼ整った段階での出産だったので、こうして働き続ける場所があって良かったなと思っています。
 少し前だと、結婚したら辞める、子供ができたら辞める方が多かったのですが、今では、結婚後も仕事をし続けることが当たり前の選択肢となってきています。さらに仕事と家庭の両立できる風土になればいいなと思っています。


 (石中さん)
 工場は基本、ライン作業です。ラインを止めるわけにはいきません。数年前までは、入園式や入学式、参観日といった子供の行事などに参加を断念する社員が多かったかもしれません。最近では、職場内で調整して、男女共にイベントなどに参加できる環境ができつつあります。こういった調整ができるようになったということは、劇的な進歩だと思います。 

「えるぼしプロジェクト」で女性活躍推進!

 (三宅さん)
 今から10年前になりますが、2016年に当社の工場部門の女性活躍推進に向けて「えるぼしプロジェクト」という組織を立ち上げました。この「えるぼし」は、国の女性活躍推進法の認定マークの愛称であり、当社でも女性活躍推進を図ろうとする意図から、この名称を使わせていただきました。
 工場部門というと、やはり男性社会のイメージがありますが、20人程度で構成されている職場の中に女性は1人いるかいないか、という状況から、悩みがあってもなかなか相談できる人がいない、よって、女性の離職率も高い、また、役職についている女性はほとんどいないという大きな課題を抱えていました。
 そこで、「現業の女性社員が自分らしく、いきいきと挑戦し輝いている姿、全力で支援する職場」という目指す姿を掲げ、このプロジェクトを立ち上げ、活動を行っています。

●プロジェクトでの取組は?

 (石中さん)
 10年が経過し、このプロジェクトも軌道に乗りつつあると思います。
 毎週1時間、プロジェクトメンバーでミーティングを行いながら活動を進めています。1. 働くための基本条件整備、2. 職場風土の改革、3. 働き甲斐向上の活動。この3本柱に沿って、年間の活動計画を決めています。具体的には、更衣室などの職場環境の改善、職場向けの教育、悩んだ時に相談できる仕組みづくり、モチベーション向上を目的とした各種イベント開催や社外イベント参加など、幅広く進めています。
 さらに、年に1回、現場の女性社員にアンケート調査を実施しています。
 生の声を聴き、本当に困っていること、配慮が必要なことに関しては関係部署と協議して働く環境を整えています。

●社内で変化はありましたか?

 (石中さん、小林さん)
 トイレですかね!男性・女性共に、ザ・昭和といった感じでしたが、2年前よりリニューアル工事が進められています。また、女性から生理用品を置く小物入れ棚の要望があり、プロジェクトと関係部署で協議した結果、新たに新設・改修されるトイレには小物入れ棚が標準設置装備となりました。

 (三宅さん)
 例えば、筋力や体格差などの理由で女性には難しい、もしくはできない作業工程があります。でも、女性の側からすると、定年まで働きたい!たくさんの作業工程を習得して昇格したい!という気持ちがあるのも事実です。そこで、できない工程の改善を待つのではなく、女性自ら職場メンバーと一緒になって工程改善に取り組もうという動きになってきています。
 当社は、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が実施しているTPMレディース大会に参加しています。
 この大会は、製造現場、管理・間接部門等あらゆる現場で活躍されている女性の発想から生まれた現場改善策等を発表し、日本のモノづくりの女性活躍やダイバーシティ促進に寄与することを目的に実施されていますが、私たちの改善の取組が認められ、7年連続で「きらめき賞」を受賞しています。うれしいことに、2024年は広島県の本社工場と山口県の防府工場両工場ともにこの賞をいただきました。
 このように職場が協力して改善に取り組めるということは、誰もが仕事をしやすいような雰囲気が後押しをしている土壌ができているということだと思います。


 (石中さん、小林さん)
 ジェンダー川柳の紹介を受け、前回の入賞作品を拝見しました。職場内で共有し、「あるある!」とメンバーで共感するなど、上司も交えてのコミュニケーションに繋がりました。現場の社員にも、情報共有できたらいいなと思い、プロジェクトで作成している「えるぼし新聞」にジェンダー川柳を掲載しました。食堂など社員の目につくところに掲示することで、話題づくりやメンバーの意識向上にも繋がると思っています。今年は本社工場から多くの川柳の応募を募りたいと思います。

●ご自身のこれからは?

 (石中さん)
 長く働き続けていると業務内容の変更や、職場異動が伴います。「えるぼし」活動を始めてから、定期的に現場の女性と接する機会があります。前向きに頑張る皆さんの姿や話を聴いて私の活力になっています。私もいろいろなことに挑戦し、常にステップアップしていきたいと思っています。

 (小林さん)
 現場の女性たちは、それぞれ事情に応じて短時間勤務など働き続けられる制度を活用して辞めずに頑張っています。誰もが働きやすくなるようにとプロジェクトでは活動していますが、彼女たちの頑張りを見ていると私も頑張ろう、さらには、自身のキャリアアップにつなげていきたいと考えています。

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