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「わた生きゼミ」第2弾!“学校生活とジェンダー編”【動画を追加しました!】

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「わた生きゼミ」第2弾!“学校生活とジェンダー編”

学校生活や就職活動などでは「男子は〇〇、女子は△△」といった慣習などがまだまだ残っているのではないでしょうか?こういった思い込みの解消に向け、広島県の主催により、エソール広島で、「わた生きゼミ」の第2弾となる「学校生活とジェンダー編」を開催しました。
10代・20代の高校生や大学生が、日ごろ感じているジェンダーについての疑問や違和感を出し合い、課題解決に向けた意見交換や発表の様子を報告します。

「わた生きゼミ」って何?

広島県わたしらしい生き方応援課は、性別に関する固定観念について、何が問題で社会がどうなればよいのか、そのためには何ができるのかを考え、話し合い、アクションにつなげていくことを目的に昨年度から「私らしい生き方を選択するためのワークショップ」を開催しています。
今年度は、3つのテーマで「わた生きゼミ」を開催。第1弾はすでに開催済みの「男性の家事・育児編」、第2弾が今回開催した「学校生活とジェンダー編」です。第3弾は「子どもとメディア編」を開催します。
わた生きゼミ第2弾「学校生活とジェンダー編」は、編集者でライターの大須賀あいさんをファシリテーター(進行役)にお迎えし、全2回のプログラムで開催しました。
【10/28(金)開催・1回目】
「女子なら~しないと、男子なんだから~」
日頃感じるモヤモヤについて意見交換
■大須賀さんによる課題提起
まず、大須賀さんによる課題提起と、意見交換を行いました。
大須賀さんが、日本の学校や就職にまつわる男女に関するデータを示されました。
  • 「小学生の習い事 活動ランキング」については、スポーツ系は男子が多く、芸術系は女子が多い。
  • 大学、大学院の学部別女子在籍割合は、文系が多く、理系が少ない。
  • 教育機関のジェンダーバランスについて、芸術系大学6校の学生は女子が4分の3いるのに、教授は4分の3以上が男性。音楽系大学12校においても、女子学生が73%いるが、教授は61%が男性。

今回は、「参加者に教える」ということではなく、「参加者の皆さんと一緒に考える」というスタンスで進めたいとのことでした。
このようなデータ紹介から、さらには「何が問題なのか?」を深堀する内容で、後半の意見交換に向けてとてもよい導入になったようです。
■自己紹介とアイスブレイク
次は、参加者の自己紹介。名前や学年のほかに「最近ハマっていること、推し」も紹介してもらいました。
自己紹介の後は、緊張をほぐすためのアイスブレイク。2つのグループに分かれ、グループのメンバーの「共通点探し」をしました。
見つかった共通点を参考にして、グループ名を決定。スマホを手離せないことから、Aグループは「スマホ大好き♡」、好きな給食のメニューからBグループは「黒糖ぱん」というグループ名に決まりました。
■ワークと意見交換・発表
緊張もほぐれたところで、ワークと意見交換に入ります。学校生活やアルバイト、家族と話をしたときなどに感じた「性別による固定的役割分担」に関する違和感や気づきを、まずは5分間、各自付箋に書き出してみました。
次に、付箋に書き出した内容を、グループごとにまとめる作業。模造紙に、付箋を貼り付けながら、違和感やモヤモヤを感じる場面を、活発に意見交換しました。
皆から出た意見を、大須賀さんの助言を得ながら、カテゴリーごとに分類します。
最後は、模造紙にまとめた内容を各グループのリーダーが発表。
【各グループから出た主な内容】
  • 事務職は女性が多い、女性の管理職割合が少ない。
  • 女性は料理ができる、女性なのに家事ができない。
  • 制服は女子がスカート、男子はズボン。
  • 女の子は字がきれい。
  • 部活のマネージャーは女の子。
  • 理系は男子が多い、文系は女子が多い。
  • 女の子は言葉に気をつけるべき。
  • 女の子は足を閉じて座るべき。
などなど
最後に、第1回目を終えた参加者の感想を紹介します。
  • 性別によって強制されていることについて「なぜ?」と思っていることがあり、考えるきっかけになった。
  • いじめの原因のひとつにジェンダーもあるのではないかと感じた。女性のスラックス着用など受け入れられることも多くなっているが、まだまだ学校の授業で取り上げるなど理解を深める活動が必要だと思う。将来目指している教職に就いたときに今回の経験を活かしたい。
  • 今回は女性側の意見ばかりだったので男性側の意見も聞いてみたい。
【11/12(土)開催・2回目】
「今はこうだけど(モヤモヤ)」から
「こんなのもいいな!(スッキリ)」
■前回のワークで出た意見をもとにグラフィックレコーディング
第2回はグラフィックレコーダーの住田桃子さんにもご参加いただきました。
グラフィックレコーディング(略してグラレコ)とは、イラストや文字を使って情報を可視化する手法のこと。
冒頭では住田さんが作成された前回のグラレコをもとに振り返り。前回のワークショップの後、自分自身で考えたことや家族間で話し合ったことなど、参加者のみなさんでシェアしてもらいました。
■「わた生きビフォーアフター」の作成
今回は、「わた生きビフォーアフター」と名付けられたフリップに、前回出た違和感や気づき「今はこうだけど(モヤモヤ)」と、「こんなのもいいな!(スッキリ)」と思い描くイメージをイラストや文字でまとめました。
イラスト部分は、イメージを伝えて住田さんに描いてもらいます。
もちろん、イラストが得意な人は自分で描いてもOK。
■作成されたフリップを発表
フリップが完成したら、1人ずつ順番に発表してもらいました。
ジェンダーについての違和感をしっかりと掘り下げて未来のための提案を作成し、熱のこもった発表でした。
■全2回のワークショップを通じて得られた気づきとは?
最後に参加者の皆さんから、2回のワークショップを通じての感想や気づきを発表していただきました。
【感想・気づき】
  • 自分が感じていた違和感や考えていたことが間違っていなかったと確認できた。
  • メイクに苦手意識があった、「するべきもの」だと思っていたけれど、今回参加してメイクをするのは自由でいいと思えた。
  • 周りの高校生には話す機会がないし、親に話しても一方通行だったので、今回意見交換できたのはとてもよい機会だった。
  • ランドセルや制服など以前に比べて変わってきていると思う、まだまだ変えられることはあると感じた。
「ジェンダーについて意見交換して、共感できることが多くあった」「自分のこととして考える機会になった」など前向きな意見が多かった一方、「ジェンダーについて、普段は話をする機会がない」といった悩みも多く見受けられました。

今回のワークショップは、日ごろ感じているモヤモヤをたくさん出し、思い込みの解消へのきっかけとなるよい機会になったのではないでしょうか。
今回ご参加いただいた皆さん、ファシリテーターを務めてくださった大須賀あいさん、グラフィックレコーダーの住田桃子さん、ありがとうございました!
実施概要
第1回:10月28日(金)18:30~20:30 エソール広島
第2回:11月12日(土)10:00~12:00 エソール広島
主催:広島県(わたしらしい生き方応援課)
運営:公益財団法人広島県男女共同参画財団
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