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「わた生きゼミ」第3弾!“子どもとメディア編”開催

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「わた生きゼミ」第3弾!“子どもとメディア編”

皆さんは、テレビなどのメディアの発信する男性像・女性像や家族像にモヤっとしたことありませんか?お子さんに対して「男の子なんだから○○」「女の子は○○でないと」といった思い込みで接してしまうことはありませんか。今回こういった思い込みの解消に向け、広島県の主催により、エソール広島で、「わた生きゼミ」の第3弾「子どもとメディア編」を開催しました。
今回は、子育て中の方を中心に30代から50代までの9人が、日ごろ感じている性別に関する疑問や違和感等を出し合い、課題解決に向けて、意見交換や発表を行いました。

「わた生きゼミ」って何?

広島県わたしらしい生き方応援課は、性別に関する固定観念について、何が問題で社会がどうなればよいのか、そのためには何ができるのかを考え、話し合い、アクションにつなげていくことを目的に昨年度から「私らしい生き方を選択するためのワークショップ」を開催しています。
今年度は、3つのテーマで「わた生きゼミ」を開催。第1弾は「男性の家事・育児編」、第2弾は「学校生活とジェンダー編」で、今回は、第3弾「子どもとメディア編」です。
進行役には、「男性の家事・育児編」でも課題提起していただいたNPO法人ファザーリング・ジャパン中国の代表理事 片元 彰さんをお迎えし、全2回のプログラムで開催しました。
【1/7(土)開催・1回目】
「男の子だから?女の子だから?」
 こんな思い込みについて意見交換
■片元 彰さんによる課題提起
第1回目の冒頭は、片元彰さんから、資料に基づき、
  • 内閣府が出した最新のデータ「令和4年度性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアスに関する調査結果)」による「性別役割意識」
  • 子どもとメディアの関係
  • 子どもへの声掛けによる影響
  • 親と子の職業に対するイメージ
  • 働くイメージや進路選択に対する影響
等について課題提起がありました。
提示された課題の中には、日ごろ「何も気にせずしている声掛け」や「疑問を抱かないまま見ているテレビ番組」の事例もあり、後半のワークに向けてよい導入になったようです。
■自己紹介とアイスブレイク
その後は参加者全員の自己紹介と、2グループにわかれてのアイスブレイク。参加者の緊張をほぐすためのアイスブレイクでは、グループのメンバー全員に共通することを探します。
全員が当てはまる共通点を見つけるのは難しかったようですが、2グループとも10個以上の共通点が見つかりました。見つかった共通点を参考にグループ名を決定します。Aグループはお正月に全員が食べたことから「おもち」、Bグループは全員が習字を習っていたことから「習ジーズ」に決まりました。
■ワークと意見交換・グループごとに発表
アイスブレイクで皆さんの緊張もほぐれたところで、ワークに入ります。
今回のわた生きゼミで取り上げる課題は、
(1)メディアが子どもの固定観念に影響を与える発信内容
(2)自分や周りの大人が子どもに行っている、性別による固定観念だと思われる声掛け
この2点です。日ごろ感じている疑問やモヤモヤとした感情を付箋に書き出してみます。
個人で付箋に書き出した後は、グループで意見交換をしながら模造紙にまとめました。
模造紙に付箋を貼り付ける作業では、「あっ!同じこと書きました!」という同意見であったり、「なるほどー!」と意外な意見に驚いたり、活発に意見交換する様子が見られました。
模造紙にまとめた内容を、グループごとに発表。
各グループから出た主な内容は、次のとおりです。

■子どもに対する声掛け
  • 男の子だからたくさん食べようね
  • 男の子だから泣かないよ、強くないといけないよ
  • そんな恰好をしていると男の子に間違えられるよ
  • 女の子だから料理ができないとね
  • 女の子が優先だよね
  • 女の子だからスカートはかないとね

■メディアに関して
  • 「ママゴルファー」「ママタレント」などママだと特別扱い(パパ〇〇はほとんどない)
  • お笑いコンテストの審査員が女性1名のみ
  • テレビCMでの「○○レディ」「○○ママ」

どちらのグループも、貼られた付箋は20枚以上。さまざまな意見や気付きが挙がっていました。課題が多くある一方で、「昔は歌のおねえさん、体操のおにいさんだったけど、今は歌のおにいさん、体操のおねえさんもいる」といった時代とともに改善されたことにも着目。また、「声掛けは、性別に関係なければ問題ないことなのに、男の子、女の子という前置きがあるため問題があるのでは?」という意見も見られました。
【1/22(日)開催・2回目】
「わた生き! マイベストアンサー」
こんな声をかけてみます!
■グラフィックレコーディングをもとに振り返り
2回目は、前回の内容を可視化したグラフィックレコーディング(グラレコ)を見ながら、振り返りから始まりました。
次は、前回のワークショップの後、自分自身が考えたことや各家庭で話題になったことなどをシェアしてもらいました。
中には「テレビを見終わった後、どう感じたのか子どもと話をしてみると、子ども自身は性別に関する固定観念があまりないことがわかり、自分の方が性別に関して枠にはめていたことに気付いた」という参加者も。

振り返りとシェアの後は、前回出たモヤモヤ等に関して「こんなふうにしたらどう?」というイメージを、「わた生き!マイベストアンサー」としてフリップに書きました。
フリー素材や手描きのイラストを使い、わかりやすいフリップに仕上げていきました。
完成したフリップは、まずグループ内でシェア。
身近な事例も多く「それ、いいですね!」「わかる、わかる!」などの声が挙がっていました。
■作成されたフリップを使って発表
最後に、完成した「わた生き! マイベストアンサー」を全員が発表!
バリエーション豊かな「わた生き!マイベストアンサー」が集まりました。

発表された内容の一部をご紹介します。
モヤモヤ…
「男の子だけどピンクの服が好きみたい。笑われないかな?」
こんな声掛けします!
「ピンクが好きなんだね。ピンクの服を着ている人って優しそうな印象だよね。」
モヤモヤ…
「男の子なのに手芸部、大丈夫?」
こんな声掛けします!
「好きなことを自信もってするといいよ!」
モヤモヤ…
「髪が長いから、女の子っぽいね」
こんな声掛けします!
「男女関係なく好きな髪型でいいんだよ」

どれも日常にありがちな一場面ですが、性別に関する固定観念につながることもあります。ほんの少しの声掛けで固定観念の解消につながることが、発表からわかりました。
■全2回のワークショップを通じて得られた気付き
ワークショップの最後に、全2回を通じての気付きや感想を参加者の皆さんに発表していただきました。
発表していただいた感想を、一部ご紹介します。
  • メディアの固定観念や子どもへの声掛けについて考えるよい機会になってよかった
  • 発表にあった「好きなようにしんさい」という声掛けがとてもよいと思った
  • 性別に関係なく子どもの「好き」を伸ばすことが大切
  • 幅広い年代の子どもがいる参加者と意見交換できてよかった

今回のわた生きゼミ第3弾「子どもとメディア編」では、知らず知らずのうちに子どもに与えている性別に関する固定観念について、活発な意見交換をしていただきました。そして、身近な事例をもとに「こんなのはどう?」という提案を「わた生き!マイベストアンサー」としてフリップにまとめていただきました。フリップは、広島県やエソール広島のHP、SNSで発信をしていますので、ぜひご覧ください。
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