(公財)広島県男女共同参画財団「エソール広島」は,男女共同参画社会づくりのための拠点です

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ジェンダーを知ろう

ジェンダーを知ろう!

 


What’s Gender?「ジェンダー」って  なに?

 ジェンダーとは、「社会的・文化的に形成された性差」です。 人間には生物学的な性別(セックス)がある一方、 社会通念や慣習の中で作り上げられた「男性像」「女性像」があり、 このような 作り上げられた性差を「ジェンダー」 と言います。 この「男性像」「女性像」は、社会(国・地域)や時代によって異なり、一様ではありませんが、 ジェンダーは私たちの判断や行動に大きな影響を与えていると言えます。 例えば、出産は女性が担います。これは生物学的な性別に基づくものです。 では、育児はどうでしょうか?女性にしかできないことは限られています。 それなのに、育児は女性が担うことが当たり前のようにされています。 また、ついつい 「女性らしく」 とか 「男のくせに」 と言ってしまうことがあります。 これらは 「ジェンダーバイアス」 と呼ばれる、 男女の役割における 固定観念や思い込み によるものです。


● もやもやの原因は  「あなたの思い込み」かも…

 「女性だからお料理得意でしょう」「男性だから力持ちでしょう」は、ステレオタイプ※の思い込みです。なぜなら、料理が苦手な女性も非力な男性もいるからです。  こうした発言がもとで相手を「もやもや」させてしまい、会話だけでなく、関係性までぎくしゃくすることもあります。そのきっかけが自分側にあることに気づけなければ、自分も「もやもや」を抱えることになります。また、こうした思い込みは、なにも異性間に限ったことではなく、同性間にも同様に見受けられます。「今までこうだった」「世の中はそういうものだ」という考え方は、あなたの思い込みかも知れません。「みんなそう言っているから」「自分の価値基準だから」で済ませていては、生きにくい世の中は解消されません。

※ステレオタイプ:型にはまった画一的なイメージ

● 知らず知らずに    押し付けてない?

 「女性が淹れた方がおいしいからコーヒーお願いね」「男性の方、荷物運びお願いします」こうした発言に対して、立場や年齢の違い、関係性によっては、はっきり「No!」と言える人ばかりではなく、一方的な押しつけや強要だと感じて、生きづらさを抱える人もいます。あなたの発言や振る舞いが、知らず知らずのうちに周囲や大切な人にもストレスを与え続けているとしたら…。それはあなたの本意ではないはずです。


● 誰もが自分らしく生きていく世の中に

 私たちはいま、こうした思い込みや決めつけを考え直し、自身の基準をアップデートする時代に生きているのではないでしょうか?この冊子は、いま、「もやもや」している方が、最初の一歩を踏み出すための助けになりたいとの思いで企画しました。言葉は聞くけどよく分からない…という「ジェンダー」について、少しでも理解が深まり、興味を持っていただければ幸いです。

 広島県では、2023年に「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」を初開催しました。「男だから」「女だから」などの性別による思い込みや決めつけ、まさに「ジェンダーバイアス」で「もやもや」した思いを詠んだ川柳作品が、たくさん寄せられました。  次ページからは、その中から選ばれた入賞作品の一部をご紹介します。この冊子を手に取ってくださったみなさんが、いろんな「もやもや」に触れて気づき、考え、行動を変えていただくことで、多くの方の「もやもや」が晴れるきっかけになればうれしいです。


Message できそうなこと から 始めましょう!

「もやもやしている」あなたへ

 上水流 久彦さん (県立広島大学教授)

 

 今のジェンダーのあり方に、今のジェンダーの見直しに「もやもやしている」みなさんがすぐ取り組めることを、「学ぶ」「聞く」「交わる」という3つの視点で紹介します。

 ひとつ目は学ぶことです。世の中の様々な分野で日々研究が進み、これまでの「常識」の見直しが進んでいます。ジェンダーも然りです。学び直しとはこうした「新しい知見」に触れ、「あなたの常識」を日々更新することです。例えば、エソール広島を始め、自治体が公民館等で開催する講座や大学の公開講座などが学びの機会になります。

 ふたつ目は、聞くことです。何かをする(させる)前に、相手に「あなたはどう思う?どうしたい?」と聞いてみましょう。そうすれば、誤解やおしつけは生まれないし、相手はあなたを信頼してくれるでしょう。仮に思いやりからだとしても、「相手が女性(男性)だからこうしよう」と決めつけることはやめましょう。  みっつ目は、交わることです。同性や同世代など、同質性の高い場にいると居心地はいいですが、自分の見聞がどうしても狭くなります。仕事でも趣味でもボランティアでも、様々な人と交わる経験が、相手を「性別」ではなく「個人」としてみる力を培います。

 まずは、できそうなことから始めてみてはいかがでしょうか?

 

上水流 久彦さん

県立広島大学教授  地域基盤研究機構長、広島県男女共同参画審議会委員、 「ちぃと もやもや ジェンダー川柳コンテスト」審査員長


ジェンダーに関するDATA集

 

 

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