(公財)広島県男女共同参画財団「エソール広島」は,男女共同参画社会づくりのための拠点です

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講座イベント実施報告

講座イベント実施報告

(フォローアップ研修)対人支援の技術~カウンセリングから学ぶ~

11月25日(土)、地域に支え合いの輪を広げていくことを目指して、対人支援の基本となる「聞く技術」を、カウンセリングの技法から理論と実習で学ぶ講座「対人支援の技術~カウンセリングから学ぶ~」の修了生を対象としたフォローアップ研修を実施しました。
講師に宮田智基さん(帝塚山学院大学 大学院教授)を迎えたこの講座には、令和4年度、5年度の修了生のうち18名が「学びの継続」として受講しました。

テーマは、「家族コミュニケーションの循環を変える」です。受講生からは、「相談者を個人だけでなく、社会という大きなシステムの中で見たときに、どう関わっていけるのか、アプローチしていけるのかという視点は大事だと思います」「循環という言葉が特に印象に残っています。本人、周囲、コミュニティ、組織社会で様々な滞りが起きていると感じました」「問題ばかりを見るのではなく、俯瞰してシステム全体を見ていける力を身に付けたいと思います」などの感想が寄せられました。

今回、再びエソール広島に集まっていただいた受講生の皆さん、宮田先生、ありがとうございました。

 

エソール広島無料相談会

昨年度に引き続き、9月23日(土・祝)、専門家による無料相談会を実施しました。
今回は、臨床心理士によるこころの相談や弁護士相談に加え、支援者によるLGBT相談も行ったところ、たくさんの方にご利用いただきました。
アンケートからは、「いろいろな悩みなどを話せてうれしかったです」「専門的なアドバイスをもらえ、次の対策が分かりました。気持ちも少し楽になりました」などの声が寄せられました。
 
通常の相談(エソール広島相談事業)はこちら

 

 

ワンデイセミナー「子どもたちを社会で育む」

9月3日(日)、土居和子さん(臨床心理士、公認心理師、社会福祉士、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー)を迎え、令和5年度支援者養成講座 対人支援の技術第2弾!ワンデイセミナー「子どもたちを社会で育む」を開催しました。
 
受講生15名が3つのグループに分かれ、ディスカッションを交えながら展開していきました。講座の前半では、不登校、ひきこもり、ヤングケアラー、いじめ、自死など子どもたちを取り巻く課題に触れ、子どもに関わる課題を個人や家庭の問題として考えるのではなく、社会のひとり一人が「自分ごと」として考えることが重要であるとお話がありました。これを受け、各グループで、「子どもたちにとっての良い環境」について意見交流しました。
後半は、子どもたちを社会で育むために知っておきたい基礎知識や、子どもたちとの関わりには肯定的な声かけを!と学びました。
最後は全員で輪になり、それぞれの感想をシェアしました。全体を通して、子育て支援者仲間との出会いを楽しみながら積極的な意見交流がなされ、支援の枠を超えた新しい発見につながったようです。
 
アンケートからは、「実践的な内容が多く、今後支援につながる材料を得ることができました。」、「自分の子育ての悩み、支援している子どもさんとの関わり方についてとても学びが深まりました。」、「講座の内容も参考になりましたが、グループワークでお互いが素直に意見交流できたのがよかったです。」などの感想が寄せられました。
受講生の皆さま、土居先生、大変ありがとうございました。


 

令和5年度メンタルサポーター養成講座 公開講座「私たちの社会が抱える問題~性暴力~」

8月27日(日)、北仲千里さん(広島大学ハラスメント相談室 准教授)を迎え、令和5年度メンタルサポーター養成講座 公開講座「私たちの社会が抱える問題~性暴力~」を開催しました。県内外から56名(うちオンライン38名)が受講されました。

講義の冒頭では、北仲先生から、イギリスのテムズ川渓谷警察署が公開している「紅茶」をモチーフにした動画が紹介されました。
https://youtu.be/-cxMZM3bWy0?si=bC0iPEMqK-98kwNI

この動画では、性暴力を考える際の大切な視点の一つ、「同意していないか、同意しているか」について、紅茶の欲しくない人に無理に飲ませることなどに例えて、アニメーションで分かりやすく解説しています。
ノー!と言える対等な関係であるかという「同意」の考え方について、受講生の皆さんからも分かりやすかったという感想をいただきました。
受講生の皆さま、北仲先生、大変ありがとうございました。

 

 
 



さて、ただいま受講生募集中の「メンタルサポーター養成講座」は、仕事として、あるいはボランティアとして対人支援にかかわる方に、基本の学びを提供する講座です。
講師は、臨床心理学を土台としている専門家で、現在、第一線で活躍している方々です。
全5回の心理部門は、各世代のテーマを踏まえています。
子どもの困り感に向き合うことから始まり、おとなの精神疾患や発達障害への理解、夫婦や家族の視点を家族療法から、老いの心理過程と家族介護者の問題、最終回は援助者のためのセルフケアを学びます。


また、全2回の男女共同参画部門は、医療と法律をテーマにしています。
困難を抱える患者の支援については産婦人科医から、「女性支援新法」施行に合わせ、DVや性被害など女性や子どもの支援について弁護士から学びます。
 
詳しくは、募集要項をご覧いただき、ぜひご検討をお願いします。
◆第21期 メンタルサポーター養成講座(全7回)
10月22日(日)~2月18日(日)10:30~15:30

https://www.essor.or.jp/blog/kouza/20230529141117
 

 

ワンデイセミナー「進む長寿化と高齢期生活の変容~世代とジェンダーの視点から~」

8月5日(土)、春日キスヨさん(臨床社会学者)を迎え、令和5年度支援者養成講座 対人支援の技術第2弾!ワンデイセミナー「進む長寿化と高齢期生活の変容~世代とジェンダーの視点から~」を開催しました。
 
講座の前半は、長寿化と家族の現状に関するデータに基づいて展開しました。コロナ禍で顕在化した高齢者の多くが抱く将来不安について、聞き取り調査からわかった高齢者の意識や家族形態の変容、そこから波及する子世代や支援者への影響等について触れ、「老い支度」のために地域との人間関係、医療・福祉・介護制度に関する諸知識等を身に付けるという、超長寿社会に即した新しい「エイジングリテラシー」について学びました。
後半は受講生15名がグループに分かれ、講座の感想やそれぞれの支援活動での課題等をシェアしました。皆さんとても熱心で、支援の枠組みを超えた活発な議論がなされていたようです。
 
アンケートからは、「支援者として個人を見るのではなく、その人の時代背景やジェンダー視点、社会とつなげる視点を大切にケースに関わっていきたいです。」「時代とともに日々、情報、制度を更新しながら、持続可能な支援を進めていけるようにしたいです。」などの感想が寄せられました。
受講生の皆さま、春日先生、大変ありがとうございました。
 
 
 
 
次回のワンデイセミナーは、子どもの発達・成長や困りごとについて、支援者としての関わり方のポイント等を学びます。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとの連携のポイントが知りたいという方も必見です。ご受講をお待ちしております!
 
◆支援者養成講座 ワンデイセミナー
「子どもたちを社会で育む」
9月3日(日)10:00~15:00
https://www.essor.or.jp/blog/kouza/oneday0903


 

支援者養成講座 対人支援の技術~カウンセリングから学ぶ~

7月22日(土)、「対人支援の技術~カウンセリングから学ぶ~(全3回)」の最終講義を実施しました。この講座は、地域に支え合いの輪を広げていくことを目指して、対人支援の基本となる「聞く技術」を、カウンセリングの技法から理論と実習で学べるよう企画したものです。
 
講師には、心理臨床に長年携わり、SNSカウンセリングの普及や実践などにも力を注がれている宮田智基さん(帝塚山学院大学 大学院教授)を迎え、県内各地から多種多様な支援現場で働く方や支援者を目指す方など39名が受講されました。
 
アンケートからは、満足度が高いことがうかがえ、「ワークがとても勉強になり、難しさも感じますが日常にも十分に役立つと感じました」、「カウンセリングの場でなくても、今回学んだ応答スキルを臨床の場に応用できるようにしたいと感じました」、「3回を通して、対人支援での姿勢を学ばせていただき、大変有意義なものでした」などの感想も寄せられました。
受講生の皆さま、宮田先生、大変ありがとうございました。
 

 
当財団は、支援者を養成する講座に引き続き注力し、無料公開講座やセミナー等の継続的な学びを展開しながら、県内に支援者のすそ野を広げていくよう努めてまいります。
 
◆支援者養成講座 ワンデイセミナー
 ・「進む長寿化と高齢期生活の変容~世代とジェンダーの視点から~」
  8月5日(土)10:00~15:00
  https://www.essor.or.jp/blog/kouza/oneday0805

 ・「子どもたちを社会で育む」
  9月3日(日)10:00~15:00
  https://www.essor.or.jp/blog/kouza/oneday0903
 
◆無料公開講座「私たちの社会が抱える問題 性暴力」
 8月27日(日)13:30~15:30
 https://www.essor.or.jp/blog/kouza/koukai0827
 
◆第21期 メンタルサポーター養成講座(全7回)
 10月22日(日)~2月18日(日)10:30~15:30
 https://www.essor.or.jp/blog/kouza/20230529141117


 

 

​男女共同参画週間 特別無料公開講座「なぜ縮まらないジェンダー格差!」

6月14日(水)、森永康子さん(広島大学大学院教授 人間社会科学研究科)を迎え、公開講座「なぜ縮まらないジェンダー格差!―ジェンダー格差を受け入れる心の仕組みを考える―」を開催しました。G7サミット応援事業でもあるこの講座は、県内全域のテーマに関心のある方を対象に会場とオンラインのハイブリッド形式で実施し、101名(うちオンライン64名)の方にご受講いただきました。
 
森永先生からは、ジェンダー格差が生じる原因の一つとして「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」に触れ、差別をする方もされる方も気づきにくい「あいまいな差別」の具体事例や、ジェンダー格差を維持するこころの仕組みについてなど、社会心理学の理論に基づき詳しくお話をしていただきました。終盤は、受講生からの質問に応対する形で展開していきました。

受講アンケートからは、「格差を維持するこころのしくみ、3つの理論の説明を聞いて、日頃感じていたモヤモヤの理由がわかりました。」、「日本におけるジェンダー格差が縮まらない中、具体的に心理学的に講義くださり、大変興味深く学べました。」など多くの感想が寄せられました。受講いただいた皆様、森永先生、大変ありがとうございました。

当財団では、ジェンダー平等の推進に向けて、引き続き、無料公開講座を開催してまいります。次回8月27日(日)は、社会が抱える問題の一つである「性暴力」を取り上げ、NPO法人性暴力被害者サポートひろしま代表理事としてご活躍の北仲千里さんに、性暴力を取り巻く現状等をお話いただきます。私たちの身近な問題として、まずは「気づく」ことから始めてみませんか?
 
詳しくはコチラから
http://www.essor.or.jp/blog/kouza/koukai0827
 
お申込みはコチラから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeq90-01DVKuOzYNVdPgFwieYY2AsuF3UJf_qH24VpOJhEV1A/viewform

 

第20期メンタルサポーター養成講座

 この講座は,相談業務や,対人援助活動に携わる方を対象とした講座で,今年度で
20期を迎えました。
 社会の変化をとらえ,人間関係に現れる心理的課題に取り組み,人間のこころの成
り立ちを理解し,男女共同参画の視点を持った相談員を養成することを目的として実
施し,令和4年10月から令和5年3月まで,全7回にわたり開講し,23名の方に受講
いただきました。

 
開講日 テーマ 講 師
心理部門(5回)
10/30(日) 大人として,子どもの困り感と
向き合うために必要なこと
古元 邦子さん
(心理相談室アフォーダンス代表・
臨床心理士・公認心理師)
12/11(日) 成人期の精神疾患の理解と心のケア 水谷 剛司さん
(ほうゆう病院心理室長・
臨床心理士・公認心理師)
1/15(日) 夫婦・家族に対する支援 村上 雅彦さん
(広島ファミリールーム所長・
臨床心理士・公認心理師)
2/5(日) 老いゆく人と家族介護者の
心理過程と支援
野村 妙子さん
(特別養護老人ホーム三滝苑施設長・
臨床心理士・公認心理師・社会福祉士)
2/19(日) 対人援助職のためのセルフケア 小早川 久美子さん
(えなカウンセリングルームカウンセラー・
臨床心理士・公認心理師)
男女共同参画部門(2回)
11/13(日)
困難女性支援法に期待するもの
 
寺本 佳代さん
(弁護士)
3/5(日)
コミュニティケアの実践
 
田中 洋子さん
(社会福祉士)

参加者からは,次のご感想をいただきました。
・ロールプレイや事例を挙げての検討があって,現場で働いている方の知見,考え方
 がとても参考になりました。
・全ての回がとても勉強になりました。職場や日常で活用していきたいと思います。
・これまで知らなかった知識をたくさん得ることができて,個人的にも地域生活にも
 活かすことができると思いました。
・子育て支援のために知識を得たいと思っていましたが,それ以上のことを知ること
 ができ大変役に立ちました。
・自分の価値観を取り崩す難しさを日々感じていたので,とても勉強になりました。


受講生の皆さま,講師の皆さま,ありがとうございました。
  
 
 

 

令和4年度 高校生向け出前授業

 この講座は,今後の社会を担う高校生が「男女共同参画」について考えるきっかけにし
ていただくこと,また,多様な人々がそれぞれの個性と能力を生かして自立した生活を送
り,お互いを理解し尊重することの大切さなどについて,学んでもらうことを目的として
実施しています。

 今期は令和4年8月から令和4年11月まで,5校で実施し,644名の皆さんに受講いた
だきました。


 
実施日 実施高校名 テーマ 受講者(対象学年)
8/29(月) 県立広島工業高等学校
デートDVについて
 
260名 (2年生)
9/27(火)
呉市立呉高等学校
 
ジェンダーの視点で
ものを見ること
160名 (1年生)
9/27(火) 進徳女子高等学校
子どもの権利条約について
 
27名 (1年生)
10/25(火)
県立大崎海星高等学校
 
男女共同参画の視点を
通して働くことの意味
32名 (1年生,
 3年生)
11/24(木) 比治山女子高等学校 LGBTについて 165名
(2年生)
 

生徒の皆さんからは,次のご意見をいただきました。

【デートDVについて】
・被害にあった人は,その人が悪いわけではないから,一人で考え込まずに、周りに相談
 しないといけないことがわかりました。
・これから交際することがあったら,「デートDV」にならないように気を付けたいです。
・授業を受けて,自分が被害者にも加害者にもなる可能性があることがわかりました。
 

【ジェンダーの視点でものを見ること】
・社会的・文化的な男女の性差と生物学的な男女の性差の違いについてわかりました。
・世の中にはいろんな考えがあることがわかりました。中学校で学んだことよりも深く教
 えていただいて勉強になりました。
・性のあり方は社会が作っていて生きづらさを感じている人がいることがわかりました。
 

 【子どもの権利条約について】

・条約の内容をわかりやすく説明され,具体的にどういうものかわかりました。
・実際の体験を交え説明されイメージがしやすかったです。
 


【男女共同参画の視点を通して働くことの意味】
・これからの人生に大きく影響するようなお話を聞いて,頑張ってみようという勇気をも
 らいました。
・お話を聞いて,今後に活かしていこうと思いました。
・虎屋さんの会社の歴史だけでなく,SDGsなどについても知ることができました。
 

【LGBTについて】
・今日のお話は本当に心を動かされる内容でもあり,ありのままの自分でいていいんだと
 いう勇気をくださる授業でした。

・性に関して悩んでいる方達をより理解していくよい時間だったと思います。自分らしさ
 を大切に生きていこうと思いました。

・もし性の悩みを抱えている人がいたらできるだけ寄り添える様に,勉強してもっと知り
 たいと思いました。
 

 

「わた生きゼミ」~みんなの発表会~開催




「わた生きゼミ」令和4年度総括!“みんなの発表会”
 

広島県わたしらしい生き方応援課は,性別に関する固定観念について,何が問題で社会がどうなればよいのか,そのためには何ができるのかを考え,話し合い,アクションにつなげていくことを目的に昨年度から「わたしらしい生き方を選択するためのワークショップ」を実施しています。
今年度の実施事業は,キックオフセミナー,3つのテーマ「男性の家事・育児編」,「学校生活とジェンダー編」,「子どもとメディア編」による「わた生きゼミ」,そして,3つのゼミの総括「みんなの発表会」です。
 
「みんなの発表会は」は,2月18日(土)にエソール広島において開催しました。いろいろな世代,立場の方22人が参加されました。進行役は,県立広島大学教授の上水流 久彦さんです。


 
3つのゼミの参加者による発表
 

まず初めは,3つのゼミの参加者による発表です。

 

「男性の家事・育児編」は,橋本 洋輔さん(日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(株))が発表。
 
 このテーマでは,育児中の男性が集まり,育休取得に関して周囲に言われたことや家事・育児をしている中で感じたことで,モヤモヤしたことを話し合い,「モヤっと体験」というフリップと,周囲の人への手紙形式で,モヤモヤに対して「自分はこんなことをしていきます!」という「わた生き宣言」フリップを作成し,発表したことを紹介。
橋本さんからは,「参加してみて。自分だけでなくみんなも同じようにモヤっとした体験がたくさんことがあるんだなと気付いた。みんな同じようなことを思っているのだったら,少し勇気がいることだが,「こんなことにモヤっとしているよ!」と発言・発信していくことが大事だと思った。」とのコメントがありました。


 
次は,「学校生活とジェンダー編」。佐藤祥花さん(広島修道大学2年)の発表です。
 
 このテーマでは,大学生と高校生が,普段の学校生活や部活動,進学時や就活における「性別に関する固定観念」について話し合い,性別に関する思い込みのモヤモヤを感じる現状と,「こんなふうになったらいいな」という状態を,「わた生きビフォーアフター」というフリップを作成し,発表したことを紹介。
佐藤さんからは「今回,女性らしく,男性らしくという生き方を考えるよりも,その人らしくいきていくことが大切なんだなということがわかった。」と気付きを話されました。



最後は「子どもとメディア編」。片元 彰さん(NPO法人ファザーリング・ジャパン中国代表理事)の発表。
 このテーマでは,子育て中の親が集まり,メディアが発信する内容や周囲の大人の言動によって,幼少期に植えつけられる性別に関する固定観念について,親の立場で話し合い,子どもに固定観念を植え付けないために自分たちでできることについて考え,テレビやネットなどのメディアの発信する「男性像」「女性像」「家族像」や,これまでに聞いたり言ったりしてしまった,性別に関する思い込みによる子どもへの声掛けなどでモヤモヤしたことと,その場面に遭遇した時に,今度から子どもに「こんな声をかけます!」という「わた生き!マイベストアンサー」のフリップを作成し,発表したことを紹介。
片元さんからは,「メディアから影響を受けているのは子どもだけでなく,大人もそう。ゼミ参加後はこういった内容に敏感になった。」とのコメントがありました。

 
■ワークショップ
後半は,4つのグループに分かれてのワークショップです。
進行役の上水流先生から3つの質問が提示されました。
まず,『早く絶版になってほしい #駄言辞典(日経xwoman編)』から42の駄言をピックアップし,参加者に配布。
そして,「これらの駄言の中で問題だと思ったもの,もしくは問題だと普段は思っていなかったものを各自3つ挙げて,その理由を共有してください。その上で,グループで発表する3つの駄言を決めてください。」というもの。
二つ目の質問は「女性教員,男性教員,男子友人,女子友人が女子学生のファッションをほめるのは○か,×か。」
三つ目の質問は「女性の管理職30%目標は男性への逆差別か否か。」
いずれの質問に対しても,各グループでは活発に意見が交わされました。

 

 



最後に,上水流先生から,まとめとして
「私らしく生きるために一番大事なことは,本人たちの意思の尊重であるが,その時に,社会的な大きな仕組みというものも一緒に考えていかなければならない。
大きな問題や構造というのは,自分たち自身が行っている身近な行動の中で作られていることだと思う。普段の行動の中にこそ大きな問題を変えていく手掛かりがあるのではないか。だからこそ,このようなゼミをして私たち自身の意識を変えていかなければならないし,身近なところから発信をしていくことが重要。
大事なことは,『違うんじゃない?』と思うことには声を上げていくことです!」
とのお話で締めくくりました。

 

アンケートからは,
○ 世代の違う方々との交流はとても新鮮で,とても楽しませていただきました!
○ いろいろな固定観念があることに気付き,自分の中で大変勉強になりました。
○ 初めて参加させていただきました。改めて考えさせられた気がします。社内で共有していきたいと思います。
○ 初めて参加させていただきましたが,自分の固定観念がガチガチで,ジェンダー意識がまったく低すぎることを感じました。これを機に,ジェンダーアンテナを高くして磨いていこうと感じました。
○ いろいろな世代,性別,立場の方の意見が聞けてとても勉強になった。
○ 各世代の方の意見を聞くことができて良かったです。
○ 女性らしく,男性らしくではなく自分らしくを大切にできる社会にしていきたいと思いました。
などの意見が寄せられました。

 

 


今年度は,性別に関する固定観念が「わたしらしい生き方」にどんな影響を与えているのか,ゼミ等を通じて話し合い,発信してきました。
みんながより自分らしく生きられる世の中にするために,「男だから」「女だから」の思い込みの解消に向けて,身近な人と話し合うことから始めてみませんか?



 広島県の取組~ゴールまでの道のり~
(グラフィックレコーダー 住田 桃子さん作)
 
「男性の家事・育児編」
「学校生活とジェンダー編」
「子どもとメディア編」